翼状片とは
白目(結膜)の組織が三角形をなして黒目(角膜)の中央に向かって侵入してくる病気を翼状片といいます。ほとんど場合は鼻側に生じ、時間をかけてゆっくりと進行していきます。
女性よりも男性に多くみられます。
翼状片の原因
翼状片が起こる原因ははっきりとしていませんが、紫外線や慢性的な刺激が関係していると考えられています。屋外で働く方など、日光を浴びる時間が長い人に多い傾向があります。
線維組織の異常増殖により起こりますが、悪性のものではありません。
翼状片の症状
あまり進行していない翼状片は、多くの場合充血がみられるだけで無症状です。ただし、盛り上がりが強い翼状片では小さなものでも「目がごろごろする」といった異物感を生じることがあります。
角膜に大きく侵入した翼状片は乱視を惹起し、視力低下を引き起こします。またさらに進行して角膜の中央に到達し瞳孔を覆うようになると著明な視力低下をきたします。
乱視が生じる前に治療することが大切です。
翼状片の治療
翼状片の治療法は手術ですが、再発を起こしやすいので注意が必要です。特に若い患者さんや、進行が早いものでは再発率が高くなります。
翼状片を単に切り取るだけの手術では再発が非常に多いため(再発率は30~50%といわれています。)、再発率を下げるために結膜弁移植を同時に行います。結膜弁移植には、有茎結膜弁移植と遊離結膜弁移植があります。遊離結膜弁移植の方がやや手術に時間がかかりますが、再発が少なく術後成績は優れています。
大きな翼状片や再発翼状片では、羊膜移植を併施したり、代謝阻害薬であるマイトマイシンCを使用したりすることがあります。
翼状片と似た病気 「偽翼状片」
翼状片に似た病気で偽翼状片と呼ばれるものがあります。
これは、薬品等による化学外傷や目の表面の怪我、周辺部角膜潰瘍などの目の病気の後に、翼状片と同じような状態になったものです。症状は翼状片とほぼ同じですが、翼状片と比べると幅が広いものが多く、鼻側だけでなく様々な場所に生じます。
炎症がある場合、まずは消炎を行います。手術方法は翼状片とほぼ同様です。
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